File クラス

　　ファイルアクセスのためのクラスです．通常，ファイルのオープンは，組み込み関数 open，または，File.open によって行われます．なお，以下の説明において，ファイル file1 の内容は: data1 in file1; data2 in file1
であるとします．

［クラスメソッド］ File.atime　アクセス時刻 File.ctime　状態変更時刻 File.mtime　最終更新時刻 File.basename　ファイル名 File.chmod　ファイルモードの変更 File.delete　ファイルの削除 File.dirname　ディレクトリ名 File.expand_path　絶対パス File.extname　拡張子 File.fnmatch　パターンマッチ File.fnmatch?　パターンマッチ File.new　ファイルのオープン File.open　ファイルのオープン File.rename　ファイル名の変更・移動 File.split　ファイル名の分割 File.utime　ファイルの最終アクセス時刻と更新時刻を変更 File.directory?　ディレクトリ？ File.executable?　実行可能？ File.exist?　存在？ File.file?　ファイル？ File.readable?　読むことが可能？ File.size　ファイルサイズ File.size?　ファイルサイズ File.writable?　書き込み可能？ File.zero?　サイズが 0 ？
［メソッド］ atime　アクセス時刻 ctime　状態変更時刻 mtime　最終更新時刻 chmod　ファイルモードの変更

［クラスメソッド］

File.atime ( filename )
File.ctime ( filename )
File.mtime ( filename )

　　それぞれ，ファイルの最終アクセス時刻，状態が最後に変更された時刻，及び，最終更新時刻（いずれも，Time クラスのオブジェクト）を返します．
```
p File.atime("file1")   # => Fri Jun 26 13:54:49 +0900 2009		
```
File.basename ( filename [ , suffix ] )

　　filename の一番後ろのスラッシュに続く要素を返します．もし，引数 suffix が与えられて，かつ，それが filename の末尾に一致するなら，それを取り除いたものを返します（ File.extname，File.dirname 参照）．
```
p File.basename("/temp1/file1.txt")   # => "file1.txt"
p File.basename("/temp1/file1.txt", ".txt")   # => "file1"
p File.extname("/temp1/file1.txt")   # => ".txt"
p File.dirname("/temp1/file1.txt")   # => "/temp1"		
```
File.chmod ( mode [ , filename [ , ･･･ ] ] )
　　ファイルのモードを mode に変更します．モードを変更したファイルの数を返します．mode は，数値で指定します．
File.delete ( filename, ･･･ )
　　ファイルを削除します．削除したファイルの数を返します．
File.dirname ( filename )

　　filename の一番後ろのスラッシュより前を，文字列として返します．スラッシュを含まないファイル名に対しては，"."（カレントディレクトリ）を返します（ File.extname，File.basename 参照）．
p File.basename("/temp1/file1.txt") # => "file1.txt" p File.basename("/temp1/file1.txt", ".txt") # => "file1" p File.extname("/temp1/file1.txt") # => ".txt" p File.dirname("/temp1/file1.txt") # => "/temp1"
File.expand_path ( path [ , default_dir ] )

　　path を絶対パスに展開した文字列を返します．path が相対パスであれば，default_dir を基準にします．default_dir が nil，または，与えられなかった時には，カレントディレクトリが使われます．

　　先頭の ~ は，ホームディレクトリ（環境変数 HOME が使われます）に，また，~USER はそのユーザのホームディレクトリに展開されます．
p File.expand_path("file1") # => "c:/temp1/file1" p File.expand_path(".") # => "c:/temp1"
File.extname ( filename )

　　ファイル名 filename の拡張子部分を返します．filename に拡張子が含まれない場合は，空文字列を返します（ File.dirname，File.basename 参照）．
p File.basename("/temp1/file1.txt") # => "file1.txt" p File.basename("/temp1/file1.txt", ".txt") # => "file1" p File.extname("/temp1/file1.txt") # => ".txt" p File.dirname("/temp1/file1.txt") # => "/temp1"
File.fnmatch ( pattern, path [ , flags ] )
File.fnmatch? ( pattern, path [ , flags ] )

　　ファイル名のパターンマッチを行います．path が pattern にマッチすれば，真を返します．pattern には，ワイルドカードとして，*，?，及び，[] を使用できます．

　　flags に対しては，以下の定数（ File::Constants モジュールで定義されています）を論理和で指定することによって，パターンマッチの動作を変更することができます．flags のデフォルト値は 0 （フラグ指定なし）です．

FNM_NOESCAPE　　エスケープ文字 \ を，普通の文字とみなします．
FNM_PATHNAME　　ワイルドカード *，?，及び，[] が，/ にマッチしなくなります．
FNM_CASEFOLD　　アルファベットの大小文字を区別せずにパターンマッチを行います．
FNM_DOTMATCH　　ワイルドカード *，?，及び，[] が，先頭の . にマッチするようになります．

p File.fnmatch("*.txt", "/temp1/file1.txt") # => true p File.fnmatch("*.txt", "/temp1/file1.txt", File::FNM_PATHNAME) # => false
File.new ( path [ , mode [ , perm ] ] )
File.open ( path [ , mode [ , perm ] ] )
File.open ( path [ , mode [ , perm ] ] ) { | file | ･･･ }

　　pathで指定されるファイルをオープンし，ファイルオブジェクトを返します．引数 mode，perm については，組み込み関数 open を参照してください．

　　ブロックを指定して呼び出した場合は，ファイルオブジェクトを与えられてブロックが実行されます．ブロックの実行が終了すると，ファイルは自動的にクローズされます．ブロックが指定されたときの戻り値は，ブロックの実行結果です．
io = File.open("file1", "r") p io.gets # => "data1 in file1\n" io.close
File.rename ( from, to )

　　ファイルの名前を変更します．ディレクトリが異なる場合には，移動も行います．移動先のファイルが存在する時には，上書きされます．ファイルの移動に成功した場合 0 を返します．

File.split ( pathname )

　　pathname を dirname と basename に分割して，2 要素の配列を返します．
p File.split("/temp1/file1.txt") # => ["/temp1", "file1.txt"]

File.utime ( atime, mtime [ , filename [ , ･･･ ] ] )

　　ファイルの最終アクセス時刻と更新時刻を変更します．変更したファイルの数を返します．先頭の二つの引数は，時刻を指定する数値，または，Time クラスのインスタンスでなければなりません．
p File.utime(1246000000, Time.now, "file1") # => 1 p File.atime("file1") # => Fri Jun 26 16:06:40 +0900 2009 p File.mtime("file1") # => Fri Jun 26 17:03:47 +0900 2009

File.directory? ( path )

　　path がディレクトリの時，真を返します．

File.executable? ( path )

　　path が実行できる時，真を返します．

File.exist? ( path )

　　path が存在する時，真を返します．

File.file? ( path )

　　path が通常ファイルである時，真を返します．

File.readable? ( path )

　　path を読み込み可能な時，真を返します．

File.size ( path )

　　path のサイズを返します．path が存在しなければ，例外 Errno::EXXX が発生します．

File.size? ( path )

　　path のサイズを返します．path が存在しない時や，path のサイズが 0 の時には，nil を返します．

File.writable? ( path )

　　path が書き込み可である時，真を返します．

File.zero? ( path )

　　path が存在して，そのサイズが 0 である時，真を返します．path が存在しない場合は，false を返します．

［メソッド］

atime
ctime
mtime

　　それぞれ，ファイルの最終アクセス時刻，状態が最後に変更された時刻，及び，最終更新時刻（いずれも，Time クラスのオブジェクト）を返します．
```
io = File.open("file1")
p io.atime   # => Mon Jun 15 08:42:42 +0900 2009
io.close		
```
chmod ( mode )

　　ファイルのモードを mode に変更します．モードを変更したファイルの数を返します．mode は，数値で指定します．

情報学部

菅沼ホーム

索引