Time クラス

　　時刻を扱うクラスです．Time.now は，現在の時刻を返します．Time オブジェクトは，時刻を起算時からの経過秒数で保持しています．起算時は，協定世界時（ UTC，もしくは，その旧称から GMT とも表記されます）の 1970 年 1 月 1 日午前 0 時です．

［インクルードモジュール］ Comparable モジュール
［クラスメソッド］ Time.at　指定した時刻の Time オブジェクト Time.gm　指定した協定世界時の Time オブジェクト Time.utc　指定した協定世界時の Time オブジェクト Time.local　指定した地方時の Time オブジェクト Time.mktime　指定した地方時の Time オブジェクト Time.now　現在時刻 Time.new　現在時刻 Time.times　CPU 時間
［メソッド］ +　指定秒だけ後の時刻 -　時刻の差，又は，前の時刻 <=>　時刻の比較 gmt?　協定世界時？ utc?>　協定世界時？ getgm　協定世界時に設定した Time オブジェクト getutc　協定世界時に設定した Time オブジェクト getlocal　地方時に設定した Time オブジェクト gmtime　協定世界時に設定 utc　協定世界時に設定 localtime　地方時に設定 strftime　時刻のフォーマット sec　秒 min　分 hour　時間 mday　日 day　日 mon　月 month　月 year　年 wday　曜日 yday　通算日 isdst　夏時間？ dst?　夏時間？ zone　タイムゾーン succ　1 秒足した Time オブジェクト utc_offset　時差 gmt_offset　時差 gmtoff　時差 to_a　時刻を配列に保存 to_f　経過秒数（浮動小数点数） to_i　経過秒数（整数） tv_sec　経過秒数（整数） usec　マイクロ秒の部分 tv_usec　マイクロ秒の部分

［クラスメソッド］

Time.at ( time [ , usec ] )

　　time で指定した時刻の Time オブジェクトを返します．time は，Time オブジェクト，もしくは，起算時からの経過秒数を表わす整数か浮動小数点数です．浮動小数点の精度では不十分な場合，usec を指定します．time + (usec/1000000) の時刻を返します．この場合，time，usec ともに整数でなければなりません．生成された Time オブジェクトのタイムゾーンは，地方時となります．
```
p Time.at(1246000000)   # => Fri Jun 26 16:06:40 +0900 2009		
```
Time.gm ( year [ , mon [ , day [ , hour [ , min [ , sec [ , usec ] ] ] ] ] ] )
Time.gm (sec, min, hour, mday, mon, year, wday, yday, isdst, zone )
Time.utc ( year [ , mon [ , day [ , hour [ , min [ , sec [ , usec ] ] ] ] ] ] )
Time.utc (sec, min, hour, mday, mon, year, wday, yday, isdst, zone )
　　引数で指定した協定世界時の Time オブジェクトを返します．第 2 引数以降は省略可能で，省略した場合の値はその引数がとり得る最小の値です．mon は， 1（ 1 月）から 12（ 12 月）の範囲の整数または文字列です．英語の月名（ "Jan"，"Feb"，･･･などの省略名．文字の大小は無視）も指定できます．

Time.local ( year [ , mon [ , day [ , hour [ , min [ , sec [ , usec ] ] ] ] ] ] )
Time.local (sec, min, hour, mday, mon, year, wday, yday, isdst, zone )
Time.mktime ( year [ , mon [ , day [ , hour [ , min [ , sec [ , usec ] ] ] ] ] ] )
Time.mktime (sec, min, hour, mday, mon, year, wday, yday, isdst, zone )

　　引数で指定した地方時の Time オブジェクトを返します．第 2 引数以降は省略可能で，省略した場合の値はその引数がとり得る最小の値です．mon は， 1（ 1 月）から 12（ 12 月）の範囲の整数または文字列です．英語の月名（ "Jan"，"Feb"，･･･などの省略名．文字の大小は無視）も指定できます．
p Time.local(2009, 6) # => Mon Jun 01 00:00:00 +0900 2009
Time.now
Time.new
　　現在時刻の Time オブジェクトを返します．new は now とは initialize を呼び出す点が異なります．
Time.times

　　自身のプロセスとその子プロセスが消費した，ユーザ/システム CPU 時間の積算を，構造体 Struct クラスのオブジェクト Tms として返します．Tms は，以下のメンバを持つ構造体です．

utime # user time
stime # system time
cutime # user time of children
cstime # system time of children

　　時間の単位は秒で，浮動小数点数で与えられます．このメソッドは，Process.times に移動しましたので，そちらを使用してください．
n = 10000000 while n > 0 n -= 1 end print "user = ", Process.times[0], "\n" # user = 3.447 print "system = ", Process.times[1] # system = 0.031 # 以下の方法でも可能 #print "user = ", Process.times.utime, "\n" #print "system = ", Process.times.stime

［メソッド］

self + other
　　self より other 秒だけ後の時刻を返します．
self - other
　　other が Time オブジェクトである時，ふたつの時刻の差を Float で返します．単位は秒です．other が数値である時には，self より other 秒だけ前の時刻を返します．
self <=> other

　　時刻の比較を行います．other は Time オブジェクトか，または，数値でなければなりません．数値の場合は，起算時からの経過秒数とみなして比較します．

gmt?
utc?

　　self のタイムゾーンが協定世界時に設定されていれば，真を返します．

getgm
getutc

　　タイムゾーンを協定世界時に設定した Time オブジェクトを新しく生成して返します．

getlocal

　　タイムゾーンを地方時に設定した Time オブジェクトを新しく生成して返します．

gmtime
utc

　　タイムゾーンを協定世界時に設定します．self を返します．

localtime

　　タイムゾーンを地方時に設定します（デフォルト）．

strftime ( format )

　　時刻を，format 文字列に従って，文字列に変換した結果を返します．format 文字列として指定できるものは，以下の通りです．

%A: 曜日の名称(Sunday, Monday ... )
%a: 曜日の省略名(Sun, Mon ... )
%B: 月の名称(January, February ... )
%b: 月の省略名(Jan, Feb ... )
%c: 日付と時刻
%d: 日(01-31)
%H: 24時間制の時(00-23)
%I: 12時間制の時(01-12)
%j: 年中の通算日(001-366)
%M: 分(00-59)
%m: 月を表す数字(01-12)
%p: 午前または午後(AM,PM)
%S: 秒(00-60) (60はうるう秒)
%U: 週を表す数。最初の日曜日が第1週の始まり(00-53)
%W: 週を表す数。最初の月曜日が第1週の始まり(00-53)
%w: 曜日を表す数。日曜日が0(0-6)
%X: 時刻
%x: 日付
%Y: 西暦を表す数
%y: 西暦の下2桁(00-99)
%Z: タイムゾーン trap
%%: %自身

p Time.now.strftime("%B") # => "June" p Time.now.mon # => 6

sec
min
hour
mday
day
mon
month
year
wday
yday
isdst
dst?
zone

　　以下に示すように，時刻の要素を返します．C 言語の tm 構造体とは異なり，month は 1 月に対して 1 を返し，year は 1998 年に対して，1998 を返します．また，yday は 1 から数えます．

hour， min， sec：　時，分，秒を整数
year， month（ mon ）， day（ mday ）：　年，月，日を整数
wday：　曜日を 0（日曜日）から 6（土曜日）の整数
yday：　1 月 1 日を 1 とした通算日
isdst（ dst? ）：　夏時間があるなら true
zone：　タイムゾーンを表す文字列

p Time.now.strftime("%B") # => "June" p Time.now.mon # => 6

succ

　　self に 1 秒足した Time オブジェクトを生成して返します．タイムゾーンは地方時になります．

utc_offset
gmt_offset
gmtoff

　　協定世界時との時差を，秒を単位とする数値として返します．地方時が協定世界時よりも進んでいる場合（アジア，オーストラリアなど）には正の値，遅れている場合（アメリカなど）には負の値になります．

to_a

　　時刻を 10 要素の配列で返します．その要素は，順序も含めて以下の通りです．

sec：　秒（整数 0 - 60 ）
min：　分（整数 0 - 60 ）
hour：　時（整数 1 - 24 ）
mday：　日（整数）
mon：　月（整数 1 - 12 ）
year：　年（整数 2000 年 = 2000 ）
wday：　曜日（整数 0 - 6 ）
yday：　年内通算日（整数 1 - 366 ）
isdst：　夏時間の有無（ true / false ）
zone：　タイムゾーン（文字列）

$KCODE = "SJIS" p Time.now.to_a # => [33, 35, 9, 28, 6, 2009, 0, 179, false, "東京 (標準時)"]

to_f

　　起算時からの経過秒数を，浮動小数点数で返します．1 秒に満たない経過も表現されます．

to_i
tv_sec

　　起算時からの経過秒数を整数で返します．

usec
tv_usec

　　時刻のマイクロ秒の部分を返します．

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