Integer クラス

　　整数を扱う抽象クラスです．サブクラスとして，Fixnum と Bignum があります．この 2 種類の整数は，値の大きさに応じてお互いに自動的に変換されます．ビット操作において，整数は無限の長さのビットストリングとみなすことができます．

［インクルードモジュール］ Precision モジュール
［メソッド］

[nth]　右から n 番目のビット
+　加算
-　減算
*　乗算
/　除算
%　剰余
**　冪乗
<=>　大きい，等しい，小さい
==　等しい
<　より小さい
<=　以下
>　より大きい
>=　以上
~　否定
|　論理和
&　論理積
^　排他的論理和
<<　左シフト
>>　右シフト
chr　文字へ変換
downto　ブロックの繰り返し実行
next　次の整数
succ　次の整数
size　バイト数
step　ブロックの繰り返し実行
times　ブロックの繰り返し実行
to_f　Float への変換
to_s　文字列に変換
upto　ブロックの繰り返し実行

［メソッド］

self [ nth ]

　　右端(最下位)ビットを 0 番目として，nth 番目のビットが立っている時 1 を，そうでなければ 0 を返します．
```
print 3[2], " ", 3[1], " ", 3[0]   # => 0 1 1		
```
self + other
self - other
self * other
self / other
self % other
self ** other
　　算術演算子であり，それぞれ，和，差，積，商，剰余，冪を計算します．
self <=> other
　　self と other を比較して，self が大きい時に正，等しい時に 0，小さい時に負の整数を返します．

self == other
self < other
self <= other
self > other
self >= other

　　比較演算子です．

~ self
self | other
self & other
self ^ other

　　ビット演算子であり，それぞれ，否定，論理和，論理積，排他的論理和を計算します．

self << bits
self >> bits

　　シフト演算子であり，bits だけビットを左（右）にシフトします．右シフトでは，符号ビット（最上位ビット）が保持されます．

chr

　　文字コードに対応する 1 バイトの文字列を返します．例えば，65.chr は "A" を返します．逆に，文字列から文字コードを得るには "A"[0] とします（ String クラスの [nth] 参照）．整数は，0 から 255 の範囲内でなければなりません．
print 97.chr, " ", "a"[0] # => a 97

downto ( min ) { | n | ･･･ }

　　self から min まで 1 ずつ減らしながら繰り返します．self < min であれば何もしません．self を返します．upto，step，times も参照してください．
sum = 0 10.downto(1) { |n| sum += n } p sum # => 55

next
succ

　　次の整数を返します．

size

　　整数の実装上のサイズをバイト数で返します．

step ( limit, step ) { | n | ･･･ }

　　self からはじめ step を足しながら，limit を越える前までブロックを繰り返します．step は負の数も指定できます（省略時は 1 ）．また，limit や step には，Float なども指定できます．self を返します．upto，downto，times も参照してください．
sum = 0 1.step(10, 1) { |n| sum += n } p sum # => 55 sum = 0 10.step(1, -1) { |n| sum += n } p sum # => 55

times { | n | ... }

　　self 回だけ（ 0 から self-1 まで）繰り返します．self が負であれば，何もしません．self を返します．upto，downto，step も参照してください．
sum = 0 10.times { |n| sum += (n + 1) } p sum # => 55

to_f

　　値を浮動小数点数（ Float ）に変換します．

to_s ( [ base ] )

　　整数を 10 進文字列表現に変換します．2 ～ 36 の引数を指定すれば，それを基数とした文字列表現に変換します．
p 255.to_s # => "255" p 255.to_s(16) # => "ff"

upto ( max ) { | n | ･･･ }

　　self から max まで 1 ずつ増やしながら繰り返します．self > max であれば何もしません．self を返します．downto，step，times も参照してください．
sum = 0 1.upto(10) { |n| sum += n } p sum # => 55

情報学部

菅沼ホーム

索引