TextArea クラス

[内容]

　　複数行にわたる文章を表示，編集するためのクラスです．カットアンドペースト機能を使用して，この領域に他の文章を貼り付けたり，または，この領域の文章をコピーしたりすることも可能です．

[主な変数]

• public static final int SCROLLBARS_BOTH
  水平，垂直のスクロールバーを表示

• public static final int SCROLLBARS_HORIZONTAL_ONLY
  水平スクロールバーだけを表示

• public static final int SCROLLBARS_NONE
  スクロールバーを表示しない

• public static final int SCROLLBARS_VERTICAL_ONLY
  垂直スクロールバーだけを表示

[コンストラクタ]

• public TextArea()
• public TextArea(int rows, int columns)
• public TextArea(String text)
• public TextArea(String text, int rows, int columns)
• public TextArea(String text, int rows, int columns, int scrollbars)
  与えられたテキスト text を初期状態として持ち，rows 行，columns 列表示可能な TextArea オブジェクトを生成する．スクロールバーは，引数 scrollbars によって制御される．この引数が与えられないと，水平及び垂直のスクロールバーが表示される．

[主なメソッド]

• public void addTextListener(TextListener l)（文字が変更されたときの処理）　　（ TextComponent から継承）
  TextListener を付け加える

• public void append(String str)
  現在の内容の後ろに文字列を付加する

• public int getCaretPosition()　　（ TextComponent から継承）
  挿入位置（カーソルの現在位置）を返す

• public int getColumns()
  現在の列数を返す

• public Graphics getGraphics()　　（ Component から継承）
  このコンポーネントのグラフィックスコンテキストを作成する．コンポーネントが現在表示可能でない場合は，null を返す．

• public int getRows()
  現在の行数を返す

• public String getSelectedText()　　（ TextComponent から継承）
  選択されたテキストを返す

• public int getSelectionEnd()　　（ TextComponent から継承）
  選択されたテキストの終了位置（最後の文字の次）を返す

• public int getSelectionStart()　　（ TextComponent から継承）
  選択されたテキストの開始位置を返す

• public String getText()　　（ TextComponent から継承）
  テキストの内容を返す

• public void insert(String str, int pos)
  指定された位置に，指定されたテキストを挿入する

• public void paint(Graphics g)　　（ Component から継承）
  描画

• public void paintAll(Graphics g)　　（ Component から継承）
  このコンポーネントおよびそのすべてのサブコンポーネントを描画

• public void insert(String str, int pos)
  文字列を挿入する

• public void removeTextListener ( TextListener l )　　（ TextComponent から継承）
  TextListener を取り除く

• public void repaint()　　（ Component から継承）
• public void repaint(int x, int y, int width, int height)　　（ Component から継承）
• public void repaint(long tm)　　（ Component から継承）
• public void repaint(long tm, int x, int y, int width, int height)　　（ Component から継承）
  指定された矩形領域を，tm ミリ秒以内に再描画する

• public void replaceRange(String str, int start, int end)
  指定された位置の文字列を，指定された文字列で置き換える．

• public void select(int selectionStart, int selectionEnd)　　（ TextComponent から継承）
  テキストの指定された領域を選択する（ selectionEnd の位置は選択されない）

• public void selectAll()　　（ TextComponent から継承）
  すべてのテキストを選択する

• public void setBackground(Color c)　　（ TextComponent から継承）
  バックグラウンドカラーを設定する

• public void setCaretPosition(int position)　　（ TextComponent から継承）
  カーソルの位置を設定する

• public void setColumns(int columns)
  列数を設定する

• public void setEditable(boolean b)　　（ TextComponent から継承）
  編集可能か否かを設定する

• public void setEnabled(boolean b)　　（ Component から継承）
  コンポーネントを enable，または，disable にする．disable にするとイベントを受け付けなくなる．

• public void setFont(Font f)　　（ Component から継承）
  フォントを設定する

• public void setForeground(Color c)　　（ Component から継承）
  フォアグラウンドカラーを設定する

• public void setRows(int rows)
  行数を設定する

• public void setText(String t)　　（ TextComponent から継承）
  指定された文字列を設定する

• public void setVisible(boolean b)　　（ Component から継承）
  コンポーネントを表示，非表示にする

[使用例]

1. プログラム例は，TextArea クラス，及び，TextField クラスの各メソッド等の使用例です．上から 2 番目の TextField では，エコー文字として '*' が設定されていますので，入力された文字がすべて * に代わるはずです．また，テキストエリアの文字列の初期設定は，「 Text Area 」です．それ以外の文字は，様々なメソッドによって生成されたものです．

   

2. プログラム例は，TextArea クラス，及び，TextField クラスに対するイベント処理の例です．上のテキストフィールドに文字を入力し改行キーを押すと，その内容がテキストエリアに表示されます（ ActionListener の利用）．また，テキストエリアの内容を変更すると，2 番目のテキストフィールドにメッセージが表示されます（ TextListener の利用）．

   

3. プログラム例は，メニューバー関連クラス（ MenuBar クラス，Menu クラス，MenuItem クラス，CheckboxMenuItem クラス）の各メソッド等の使用例です．メニューバーのメニューという項目をクリックすると，下図に示すようなメニューが出現します．最初の 2 つのメニューをクリックすると，テキストエリアにメッセージが表示されます．また，この 2 つのメニューには，キーボードショートカットが割り付けてあります．3 番目の項目は，CheckboxMenuItem です．クリックすることにより，チェックを付けたり消したりすることができます．4 番目の項目は，サブメニューを持っており，テキストエリアの内容に対して，カット＆ペーストを行うことができます．また，最後の項目をクリックすると Window が閉じられます．

   

4. プログラム例は，テキストエリアのグラフィックスコンテキストを使用して，テキストエリアに背景を描画しています．ただし，内部のテキストを変更したときは，再描画する必要があります．

   

[参照]

TextField,　JTextArea,　ActionListener,　ActionEvent,　TextListener,　TextEvent